平日 / 9:00~20:00 土・日 / 9:00~20:00
家族信託は裁判所を通さない手続きになるため、費用を抑えるためにも自分たちで行いたいと思う人もいると思います。
ただ、自分たちだけで契約書を作成するのは危険です。
契約内容に不備が多くなると、将来的なトラブルの種にもなりますし、かえって相続人や受託者を縛ったり重い負担になる可能性があります。
この記事では、家族信託の手続きを自分たちで行う場合のリスクや相談できる専門家の特徴、専門家への費用を安く抑えるポイントについて紹介します。
目次
家族信託契約は、以下の流れで進んでいきますが、法的な知識や家族信託を行った経験がない人が進めるのは現実的ではありませんし、多くのリスクが考えられます。
具体的にはどのようなリスクがあるのでしょうか。
家族信託と言っても、何を優先しどのような内容で契約するかは人によって違います。家族信託と成年後見を併用した方がよかったり、実は家族信託以外の方法で解決した方がよかったりと様々です。
専門家に依頼すると専門家が今までの経験や事例を元に最適な解決策を提案してくれますが、自分で行う場合、この提案を受けることができません。
自分で進めてしまうことで本当はもっとよい解決策があったものの、メリットの少ない解決策を選んでしまい、かえって損をするリスクがあります。
家族信託は自分だけではなく、受託者や受益者の将来に大きく影響する制度です。契約に協力してくれる人や受益者のためにも最善の解決策を選ぶ必要があります。
家族信託は契約書の内容に沿って何年も受託者が財産を管理していくため、契約書に不備があると正しく運用できません。
それだけでなく、家族信託制度の範囲を超えるような事項や意味が複数に考えられるような内容が書いてあると、親族間でのトラブルの種を作ることになります。
家族信託契約書のテンプレートは、ネット上で検索すれば出てきますが、人によって契約内容も事情も全く違うため、テンプレート通りに作成すれば安心というものではありません。
家族信託が始まった後に余計なトラブルを起こさないためにも、契約書は必ず家族信託に実績のある人に作成してもらう必要があります。
書類の準備や作成、指定の機関へ書類を提出するなど、家族信託には多くの手間がかかります。法律や家族信託について専門的な知識がないと、最初の目的を決めるところで話し合いが進まない可能性もゼロではありません。
また、不動産を信託財産に含める場合は所有権移転登記が必要になりますが、知識がない人が行うのは難しい手続きになります。
司法書士に依頼すれば書類の準備や作成、提出を代行できるため、自分で行うことは打ち合わせや数枚の書類の準備程度です。
自分の時間を有効に使いたい、できる限り負担やストレスを抱えたくない人は、専門家に一任してしまうことをおすすめします。
家族信託の手続きを頼みたいのであれば、実績のある司法書士もしくは弁護士に相談しましょう。ここでは、司法書士と弁護士ができることについて紹介します。
なお、家族信託は銀行でも行っていますが、信託できる財産が金銭だけに制限されており、受け取れるタイミングも委託者の死亡時と決まっているため、本記事では相談先としておすすめしていません。
書類作成や登記の専門家である司法書士は、家族信託や成年後見制度に注力している事務所が多くあります。
また、不動産登記などの登記関連業務は、司法書士の強い分野です。スムーズに所有権の移転を行いたい人が、最も相談しやすい相手といえるでしょう
以下のような悩みを持っている人は、特に司法書士への相談がおすすめです。
ただし、司法書士は代理交渉する資格を持っていないため、家族間の争いや相続問題がある場合、先にその問題を解決しておく必要があります。
法律に関する業務のすべてに対応できる弁護士も、家族信託の相談先の1つになります。弁護士には代理交渉ができるため、すでに相続に関する争いが起きており、困っている人には特におすすめです。
以下のような悩みを持っている人は、弁護士への相談がおすすめです。
弁護士は司法書士と違い、登記の専門家ではありません。業務範囲が広い分、登記手続きをほとんど経験したことのない人もいます。
そのため、不動産を信託財産に含めることを予定している人が弁護士に相談する場合、不動産登記の対応方法について、よく確認しておくようにしましょう。
全国には大勢の司法書士や弁護士がいます。その中でも家族信託という比較的新しい制度に対応できる専門家は、実はあまり多くありません。
ここでは、本当に信頼できる司法書士や弁護士かどうか見極める際に、確認すべきポイントについて紹介します。
家族信託は新しい制度で、相続案件を取り扱っていても中には受任経験のない専門家もいます。中には相続問題は取り扱っていても、家族信託は取り扱っていないというケースもありますので、まずは取扱業務などに家族信託が記載されているか確認しましょう。
実績の豊富さも重要な見極めのポイントになります。実績の件数の目安として、最低でも30件以上は超えているところがおすすめです。50件を超えれば中堅、100件以上であればトップクラスと言えます。
また、家族信託の実績が豊富なところに加え、成年後見制度にも注力しているか確認しましょう。成年後見制度は家族信託と併用されるケースもあり、上手に組み合わせることで手厚い認知症対策を行えたり、選択肢の幅を広げることができます。
依頼者に対し正しい民事信託業務全般を行える者を認める民事信託士という資格があります。資格を持つには、検定や研修プログラムを受け、合格しなければいけません。また、3年ごとに研修を受け資格の更新を行っています。
地域によっては有資格者が少ないため、この資格が絶対に必要というわけではありません。
しかし、民事信託を理解し一連の実務をしっかり学んだという証明になりますし、通常業務が忙しい中、3年ごとの研修に参加していることを考えると、信託業務について熱心に勉強していることがわかります
資格を持っているかは、民事信託士の公式HPもしくは各事務所のプロフィール欄に記載されていますので、他のポイントと併せて確認してみてください。
一般的な事務所ではHP上におおよその料金が記載されています。面談相談時や受任する前に必ず料金説明がありますので、料金の記載がない、面談相談時に説明がない事務所はおすすめできません。
そのような事務所に依頼してしまうと、説明もなく高額な依頼費を請求されたり、追加で何度もお金を請求されたりするトラブルもゼロではありません。
家族信託では書類のやり取りが多くなるため、切手代が請求されます。請求方法は事務所によってちがいますので、すでに料金に含まれているのか、後から請求されるのかそういったところの確認も必要です。
事務所によって対応にも大きな差があります。返信がやたら遅かったり、連絡が全然つかなかったりするケースも稀にあります。
家族信託は書類での対応が多く、依頼者が行うことは必要書類を何枚か集めたり、必要に応じて打ち合わせをしたりと、ほとんど行うことがありません。
自分で行うことが少ない分、進んでいるのか進んでいないのか不安になってしまう人もいるでしょう。不安なく最短で進めていくためにも、連絡後2~3営業日の間には返信をくれる専門家を選ぶことが重要です。
また、司法書士や弁護士も人によって性格や雰囲気が全く違いますので、自分に合う専門家かを見極めることが重要です。
自分と性格が合うかは何度かやり取りを行い、面談相談でしっかり話してみないとわからないでしょう。気になる専門家がいれば、悩まずにまず相談してみてください。
司法書士も弁護士も料金は統一されておらず、金額から支払い方法まで異なります。ただ、目安となるような費用相場はあります。
ここでは、家族信託の手続きにかかる費用相場と抑えるポイントについて紹介します。
司法書士も弁護士も費用面で大きな差はなく、一般的な相場では以下のような金額や目安になります。
これ以上高いから悪い、安いからいいというわけではありません。高くても安くても信用できない専門家を選んでしまうと、希望するような家族信託が難しくなります。
家族信託の手数料をできるだけ抑えたい人もいると思います。費用を抑えるポイントについて紹介します。
相談料は何度でも無料だったり、初回のみ無料だったりと事務所によって様々です。費用が気になる人は、できるだけ無料相談を行っている専門家を選ぶことをおすすめします。
家族信託は難しい制度なので、手続き中にも相談したいことが出てくるでしょう。無料相談を実施している事務所であれば、安心して相談することができます。
信託財産は信託できる財産とできない財産がありますが、上限額は決まっていません。中には、あれもこれもと必要以上に信託を希望したくなる人もいるでしょう。
信託財産の評価額は公正証書の手数料と専門家への費用に反映されます。
もちろん少な過ぎると、途中で財産がなくなってしまう恐れもありますので、専門家に必要な費用を計算してもらい、あまりにも過剰な信託を避けることが費用を抑えるポイントです。
家族信託の手続きを自分で行うことはリスクも負担も多く、現実的ではありません。
費用面を心配して自分でと思う人もいますが、無理に進めてしまうことで余計なトラブルが発生し、その解決に同じくらいの費用がかかってしまう可能性があります。
専門家も様々ですが、長く付き合うことになりますので、面談相談を行い信頼できそうか自分の目で確認してみてください。
まずはお気軽に、お電話・メールにてご相談くださいませ。