家族信託とは

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家族信託とは

家族信託を利用するに当たり、司法書士に相談・依頼を検討している方も多いのではないでしょうか。この記事では司法書士に家族信託を依頼するメリット・デメリットや費用、家族信託に詳しい司法書士の見分け方などを解説します。

家族信託っていまいちわかりづらい

年、高齢者の新たな財産管理手法として注目を集める家族信託ですが、利用を検討するに当たり、一度専門家に相談したいという方は多いかと思います。

さまざまな専門家のなかでも、家族信託について相談・依頼をするなら、司法書士が良いという意見をネットやTVなどで見かけた方は少なく無いかもしれません。

確かに、司法書士は家族信託の相談・依頼にうってつけの専門家の一人。

というのも、司法書士は不動産登記や相続、成年後見など、家族信託とも関わりが深い業務を主に扱っていることから、少なからず家族信託の知識を持っていると考えられるためです。

ですが、司法書士なら誰に家族信託を任せてよいわけではありません。

家族信託は利用が認められるようになってから、まだ日が浅いために、仕組みを理解している専門家がごくわずかです。

法的なリスクに関する検証もそれほど深まっていないため、家族信託の経験・知識が少ない司法書士に依頼してしまうと、後に大きなトラブルに発展しかねないといえます。

この記事の前半では、
家族信託を司法書士等の専門家に依頼したほうがよい理由や、メリット・デメリット、費用について解説します。

また後半では、
家族信託に詳しい司法書士を見分けるポイントや、家族信託利用時によくある質問をまとめたので確認してみてください。

家族信託を専門家に依頼すべき理由

家族信託の利用を検討している人のなかには、無駄な支出は避けたい、信用ができないなどの理由で、あわよくば自分たちで済ませたいという人もいるでしょう。

ですが、家族信託については後のトラブルを避けるためにも、専門家に依頼することをおすすめします。

というのも、家族信託は信託契約の一種であり、どの財産を、どういった目的で、いかなる方法によって管理・運用するかを当事者同士で自由に決められます。

もちろん、自由といっても法律が許す範囲内においてのこと。

どういった契約内容や手続きであれば、有効な家族信託となるかを判断するには、法的な知識は必要不可欠です。

もし、自分たちだけで契約を締結した際に、内容や手続きに問題・不備があれば、家族信託は有効なものと認められない可能性があります。

であれば、自分たちだけで家族信託契約を締結するよりも、専門家に依頼したほうが安心できるでしょう。

司法書士に家族信託を依頼する
メリット

家族信託を司法書士に依頼した場合のメリットは以下の通り。
それぞれ確認していきましょう。

家族信託で不動産の財産管理を任せたい場合には、司法書士に依頼するメリットは大きいといえます。

というのも、不動産の家族信託については、委託者から受託者への所有権移転の登記手続きが必要です。

不動産に関わる手続きの専門家といえば司法書士。法律の専門家である弁護士ですら、登記に関しては基本的に司法書士に任せます。

司法書士に家族信託を依頼すれば、それだけ専門知識が必要な登記も含めて、一任できるため、スムーズに手続きを進めてもらえるでしょう。

依頼者の状況に合わせて、財産管理の提案やアドバイスができるのも司法書士の強みです。

高齢者や障がい者などの方々の財産管理については、必ずしも家族信託の利用がベストな解決策とは限りません。

利用者の状況次第では、成年後見制度や任意後見契約、遺言といった選択肢も十分に考えられるでしょう。

家族信託を扱う司法書士ならば、成年後見や遺言に関する知識も豊富です (
※家族信託は成年後見や遺言とも密接に関わる財産管理手法であるため、家族信託に精通していて、他2つの知識がないのは通常ありえません) 。

ご自身の状況にあった適切な提案・アドバイスが受けられるでしょう。

家族信託は利用が盛んになってから間もないため、今後法的な検証が進むことにより、運用方法が大きく変わる可能性もゼロではありません。

もし変化があれば、それに合わせて家族信託契約の内容も見直す必要がある場合もあるでしょう。

また、時間の経過によって、依頼者自身の環境に変化が生じ、契約内容の見直しが必要となることも考えられます。

そうした状況の変化が起こる可能性を考えると、最初の家族信託契約を行う時点で、信頼できる司法書士を見つけておいたほうが、将来的な負担は少ないといえます。

司法書士に家族信託を依頼する
デメリット

ひとまとめに『司法書士』といっても、すべての司法書士が家族信託に精通しているとは限りません。

家族信託に関するサービスが提供できるほどの知識や経験がないにもかかわらず、依頼を受けている司法書士もゼロではありません。

運悪くそのような司法書士に当たってしまった場合、適切なアドバイスや提案が受けられないだけでなく、無駄な出費が発生してします可能性は高いといえます。

家族信託が一般の方々の注目を集めているように、専門家も今後の利用者が伸びていくだろう市場として期待しており、続々と支援サービスの提供を始めています。

そのため、本当に依頼しても問題ない司法書士なのかどうか、ご自身で見極めることが大切です。
「■家族信託に詳しい司法書士を見極めるポイント」については後述します。

司法書士に家族信託を
依頼した際にかかる費用

司法書士に家族信託を依頼した際に発生する費用は、以下2つの項目に分けることができます。

01 司法書士に支払う報酬
02 家族信託を行うのにかかる実費

それぞれ確認していきましょう。

01司法書士に支払う報酬

家族信託を司法書士に依頼した際に支払う報酬は主に以下の2つ。

  • 家族信託設計のコンサルティング報酬
  • 所有権移転の登記手続き報酬

どちらの報酬額もいくらもらうかについては、各事務所が自由に決められます。

自由とはいえ、とんでもない高額が設定されることは基本的になく、多くの事務所では下記の報酬基準を目安に金額設定しています。

信託財産の評価額 手数料
1億円以下の部分 1%
1億円超3億円以下の部分 0.5%
3億円超5億円以下の部分 0.3%
5億円超10億円以下の部分 0.2%

※3,000万円以下の場合は、最低額30万円

登記1件につき
約10万円

上記を見てわかるように、信託財産の評価額高くなるほど、登記申請件数が多くなるほど、司法書士に対して支払う報酬も増えます。

02家族信託を行うのにかかる実費

司法書士に支払う報酬とは別に、家族信託に関する手続きを行う際にかかる実費も支払いが必要です。

家族信託を行う際に発生する主な実費は以下の通り。

実費の種類 金額の目安
公正証書作成手数料 信託財産の
評価額によって増減
多くは
3万円~10万円で収まる
登録免許税 不動産の評価額×0.4
(土地の場合は0.3%)
その他の実費
(交通費や戸籍取得費用など)
約1万円

実費に関しては、個人で家族信託の手続きを行った場合でもかかる費用であるため、基本的にどの事務所に依頼した場合でも大きく変わることはありません。

司法書士に家族信託を依頼した際の流れ

司法書士に家族信託を依頼した際の大まかな流れは以下の通り。

  • 01事務所に相談・問い合わせする
  • 02お客様のご状況に合わせた
    家族信託プランの提案
  • 03契約の締結
  • 04必要書類の収集・調査の実施
  • 05家族信託契約書案の作成
  • 06公正役場で
    家族信託契約の公証証書を作成
  • 07家族信託専用口座の開設
  • 08家族信託の運用・管理の開始

司法書士に依頼してから手続きが完了するまでに、
少なくとも2~3ヶ月ほどの時間がかかるため、ある程度の余裕をもって依頼をしたほうがよいでしょう。

司法書士を見分けるポイント

家族信託が上手く活用できればメリットが大きい反面、適切な手続きを行うためには、相応の知識・経験が求められます。 万が一、経験・知識が浅い司法書士に依頼してしまえば、家族信託のメリットが得られないだけでなく、親族間に無駄な争いを引き起こしかねません。

家族信託は、成年後見や遺言などに比べると、確かに柔軟な財産管理が可能ではありますが、決して万能というわけではありません。

デメリットももちろんありますし、法的なリスクに関する検証が進んでいない部分も多く、家族信託に関する知識や経験が豊富な司法書士であるほど、依頼者に対して慎重かつ丁寧に説明を行います。

反対に経験・知識が浅い司法書士だと、説明が不明瞭で依頼を急かしてくるといった対応が見られます。もし相談した司法書士の対応に違和感があれば、すぐには依頼せずに他の事務所にも話を聞いたほうがよいでしょう。

族信託の手続きを行うためには専門的な知識が必要不可欠であり、当事者だけで有効な契約を締結するのは難しいといえます。

特に司法書士は家族信託の相談・依頼するのにうってつけの専門家です。

というのも、司法書士は家族信託とも密接に関わりがある登記や遺言、成年後見などの知識が豊富なので、ご自身にあった適切な提案やアドバイスが得られやすいといえます。

ただし、なかには家族信託に関する知識や経験が十分とはいえない司法書士もいるので注意してください。

  • 相談時に納得いく説明が受けられる
  • 家族信託に関する書籍の出版経験がある
  • 家族信託専門士の資格を持っている

家族信託は上手く活用できれば、非常に有用な財産管理の手法なので、信頼できる司法書士のもと、手続きを進めていきましょう。

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